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第22回「日本で最も美しい村」美瑛 丘のまちびえいフォトコンテスト 入賞作品の発表!

2025.04.11

■審査を終えて  前田晃

当コンテストも22回を数えるまでになりました。初期の頃から比べると、写真の質は素晴しく向上していると実感しています。当時はフィルムの時代でしたが、今はデジタル全盛。この20年の間に、デジタルカメラを皆さんが上手に使いこなすことができるようになった証と受け止めています。
風景写真には色々な要素があります。色や形、光と影、季節や時間、風や匂い、寒暖と乾湿など五感に感じるすべてのものが、その要素といえるでしょう。風景に対峙した時、これらの要素の何に主眼をおくかで、当然写真表現も変わってきます。上位入賞作を見てもらえば判るように、どの作品も写真としての狙いがはっきりしています。多くの要素の中から表現意図を持って狙いをつけることが、重要だといえるでしょう。上位入賞作の寸評を添えましたの、ご参照下さい。
以前と比べると、定番写真ばかりでなく、毛色の変わった写真も増えてきたと感じています。ただ美瑛にはもっと多様な風景、多彩な被写体があるとも感じています。借りものではない自分自身の眼と心で見つけ出した美瑛の素晴らしさを、今後も見せてもらいたいと願っています。
このコンテストの審査の後、2泊3日の冬の美瑛撮影会を、観光協会主催で開催しています。2011(平成23)年に第1回目を開催して、コロナ禍の影響で2度の休止がありましたが、今年で13回目になります。今回は、2月27日から3月1日まででしたが、天候にも恵まれ、和気藹々とした撮影会が実施できたことを、ご報告しておきたいと思います。


■グランプリ(1点)

「春の知らせ」 坪井 智洋さん

早春の風情が何ともいえません。所々に残る残雪、そして朝靄の漂う中、北へ帰る鳥たちの編隊飛行が、優美に描かれています。一見して、最近多くなったハクチョウかなと思いましたが、鴨類のようです。横から撮影しているので、判りにくいですが、V字飛行をしているように見えます。早春という季節感の表現とともに、水鳥の動きを写し止めて、余韻ある写真に仕上っています。

(前田晃)


■準グランプリ(2点)

「彩りの滝」 小林 慎子さん

晩秋の白髭の滝とナナカマドの赤い実を捉えて、味があります。安定感のある構図、特に滝の流れの配置と、ナナカマドの赤い実との取り合わせが抜群です。ナナカマドの紅葉が残っていればまた別の撮り方も考えられますが、この時のこのシーンは、この表現しかないと思わせるような緻密な構成力が魅力の作品です。

(前田晃)

「黄葉のトンネル」 伊藤 則夫さん

タイトル通りの黄葉のトンネルが、この上なく鮮やかでかつ美しいですね。邪魔物をうまく整理した絵作りが、効を奏しています。黄色、オレンジ色を中心とした暖色の中で、女性の黄色いジャケットがさらに引き立っています。秋を楽しむ心が伝わってくるようです。落葉の描写も含めて、道の表現がまことに秀逸な作品です。

(前田晃)


■入選(4点)

「風雪の丘」 土橋 平哉さん

地吹雪が丘を流れる力強い写真に表現出来ていると思います。風の向きで作風はかなり変わりますが、この写真は奥から手前に雪が流れ遠近感を感じます。この日に同じ場所で撮影していたので、よく分かります。これからも素敵な一瞬を狙ってください。

(阿部俊一)

「鉄路」 山本 寛さん

この作品は、秋の富良野線をおそらく夕暮れ時に捉えた一枚で、輝く線路がどこまでも続く様子がとても印象的です。夕陽の光を受けて輝くレールが、旅情や郷愁を感じさせ、見る者の心を引き込む魅力を持っています。ややアンダーな色調が秋の深まりを強調し、落ち着いた雰囲気を演出しています。特に、周囲のススキが柔らかな光を受け、哀愁を漂わせている点が良いですね。加えて、踏切内に立ち入らず、安全な位置から狙っている点にも好感が持てます。列車の通行には細心の注意が必要ですが、鉄道写真としてのマナーを守りながら、魅力的な瞬間をしっかりと捉えた点も評価できると思います。

(菊池晴夫)

「一本の木とハロ」 東倉 祐治さん

大きな綺麗なハロが撮影出来ていると思います。太陽の左右には、幻日も写っています。また、木の影も綺麗に表現出来ています。残念なのは、このハロが薄いところです。濃いハロを狙ってもらえれば、もっと魅力的な作品になります。自然現象なので難しいですが、チャレンジしてください。

(阿部俊一)

「VEIL」 洞筒 雄太さん

この作品は、美瑛町の秋の風物詩である朝霧を、光と構図のバランスを巧みに活かして表現した一枚です。霧が大地を包み込み、そこに差し込む朝日が黄金色の輝きを添えることで、幻想的で詩的な雰囲気が漂います。特に、中央の木立を主役にした安定感のある構図と、霧の層が奥行き感を出しています。朝日の柔らかな光が霧を透過し、静寂の中に時間の流れを感じさせる点も魅力的です。全体として、秋の美瑛の魅力を存分に引き出し観る者の心に深い余韻を残す作品となっています。

(菊池晴夫)


■特別賞(5点)

「丘を漂う浮雲」 秋山 強さん

「人気の青い池」 成田 博之さん

「そろそろ起きますか」 安彦 嘉浩さん

「道」 鈴木 琢磨さん

「新月橋から」 ハリエット平澤さん


第22回 丘のまちびえいフォトコンテスト審査について

応募総数 292点  応募人数 84名

(審査)

委員長    写真家:前田 晃氏

委員     写真家:菊池 晴夫氏 委員 写真家:阿部 俊一氏

観光協会三役及び理事

今年も沢山のご応募ありがとうございました。


写真・映像撮影にあたってご協力ください

丘のまち美瑛は、十勝岳連峰を背景とした雄大な自然と農業生産の場である広大な畑、山林等が一体と

なり季節ごとに変化するパッチワークのような農業景観そのものが観光資源となっています。丘の個性

あふれる農業景観をつくり出し、保全しているのもこの地域で暮らす農業者の皆さんです。

丘の景観を楽しみ、この地域で写真・映像を撮影される方々に、農業者の生産活動を妨げるような行為

を慎んでいただきますようお願いいたします。また、写真や映像を撮影する際は、互いに譲り合い、マ

ナーとルールを守って下さい。

撮影マナー・ルール(NPO法人写真映像協会)

※本年度の上位3作品の展示発表は、2025年4月中旬頃ビエールギャラリーにて予定しています。詳細決まり 次第改めてお知らせいたします。
▽過去の発表はこちら▽
第21回丘のまちびえいフォトコンテスト作品発表