HOKKAIDO BIEI

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観光客の皆様へのおねがい 観光客の皆様へのおねがい

みんな大好きアスパラガス!

 

美瑛の人はアスパラが大好き。

約40年前から栽培されている美瑛のアスパラは、単一農協としての出荷量がなんと北海道No.1!

食味も美味しいと評判で、美瑛を代表する特産品となっています。

 

アスパラは、気候が暖かいと先端部分が開いてしまい、食べられなくなってしまいます。

美瑛の冷涼な気候は、そんなアスパラの栽培にとても適しています。

また、美瑛は昼と夜の寒暖差が大きく、春になってもまだ氷点下になる夜も珍しくありません。

野菜は、自らが凍らないようにするため、体内に糖分を蓄えます。

なので、美瑛産のアスパラはとっても甘くておいしいんですね!

 

美瑛のアスパラについて、もっと詳しく学んでいきましょう。

 

注意

この記事の写真は全て、農家さんの特別な許可を得て撮影しています。

畑は私有地であり、許可なく立ち入ることはできません。

また、靴底についた雑菌などから、農作物に病気が発生するおそれがあります。

畑には決して立ち入らないよう、ご理解とご協力をお願いします。

 

アスパラを育てるのは大変!

 

アスパラを育てている農家さんは、本当に大変です。

アスパラは、農作物の中でも栽培するのに労力がかかる作物です。

 

まず、アスパラは種を蒔いても、最初の数年間は収穫できません。

そしてその中には、発芽しないものや成長しないものもあります。

 

種から育てるのは難易度が高いので、既に成長した根っこ(株)を植えることも多いです。

ただし、その株が根づくかどうかの保証はありませんが・・・

 

そうして株を大きく育てないと、太いアスパラが作れないんですね。

最初に出てくるアスパラは、鉛筆ぐらいの細さなんですよ!

 

Gathering all the old stems into a pile to dispose can take a long time.

 

アスパラを栽培するサイクルも長いです。

その作業は、雪融けしてからすぐ始まります。

 

最初のステップは 去年のアスパラの茎刈りです。

雪の下で枯れた去年の茎を刈ることで、今年のアスパラが太陽の光を浴びやすいようにします。

 

茎刈りが終わると、去年の収穫で弱くなったアスパラの株に栄養を加えるため、肥料を与えます。

 

Working hard to gather the old stems

 

アスパラはデリケートな作物で、病気になりやすく、強風で曲がったり折れたりすることもあります。

 

そんなアスパラを立派に育て、美味しく作ってくれる美瑛の農家さんは、本当に素晴らしいです。

 

美瑛のアスパラの時期は2回ある?!

 

最初のアスパラの時期は、4月末ぐらいです。

ビニールハウスでなら育てられるぐらい暖かくなる頃ですね。

4月の美瑛はまだまだ寒い日が多く、気温が10℃以下の日が大半です。

それでもハウスの中であれば、アスパラを育てられるぐらい十分暖かいんですね。

 

そして5月上旬ぐらいになると、日に日に気温が上がり、丘から雪が完全に消えます。

この頃になると、露地アスパラが土の中から顔を出し始めます。

 

 

露地アスパラの収穫は、5月中旬から6月中旬ぐらいまで続くので、この時期がメインの“アスパラシーズン”になります。

美瑛のアスパラを味わってみたい方は、ぜひこの時期に美瑛を訪れてみてくださいね!

 

 

旬の季節に美味しいアスパラ料理を食べさせてくれるお店は?

美瑛のグルメスポットはこちらのリストをチェック!

 

アスパラは収穫するのも大変!

 

繊細なアスパラはどうやって収穫するの?

 

 

アスパラは、株が強く太くなるまで数年間かかります。

種を蒔いてから3年目で初めて少し収穫しますが、初年度に収穫できるのはわずか1週間ほど。

4年目は1週間増やして2週間、5年目はもう1週間増やして3週間、という具合に徐々に収穫期間を増やしていきます。

そうやって何年も辛抱強く待ちながら、アスパラの株を少しずつ大きく育てていくんですね。

 

アスパラの収穫作業もまた大変です。

基本的に、アスパラの収穫は全て手作業です。

特に丘が連なる美瑛の畑は、急な斜面も多く、収穫作業は重労働です。

収獲を機械に頼れないという点も、アスパラの栽培が大変な理由の一つですね。

 

 

アスパラの収穫は、アスパラ専用の小さな鎌を使って行います。

美瑛の農家さんは、慣れた手つきでアスパラの茎をサッと根っこから刈り取ります。

しかし、言うは易く行うは難しです!!

 

まず、出荷するアスパラは決められた長さに揃えなければいけないため、アスパラ鎌の柄で長さを測りながら慎重に刈っていきます。

その際、隣りのアスパラを鎌で傷つけたり、足で踏んだりしてしまうと、そのアスパラは商品として出荷できなくなってしまうので、周囲にも気を配る必要があります。

 

そして何より、常に腰をかがめながら1本1本刈り取っていくので、とにかく腰が痛い!

それを斜面になっている丘の上でやるのは、もう苦行と言っていいツラさなんです・・・

 

こんなに小さな作物に、これだけの大変な作業が伴うんですね!

美瑛の農家さんが、いかに苦労してアスパラを育てているか、お分かりいただけましたでしょうか?

なぜ美瑛のアスパラがこんなに愛されているのか、その理由も分かりましたね!

美瑛のアスパラは、努力と愛の結晶なんです。

 

皆さんもご自身の手で刈り取ってみませんか?

そして、生でかじりついてみませんか!?

「絶景の美瑛の丘でアスパラ刈り体験」

期間
5月中旬~6月末
体験時間
約2時間

春の合図~エゾヤマザクラ~

「あー!花見したいけど、3月、4月は難しい…」

「桜」と聞くと、ほとんどの皆さんは3月末~4月上旬に咲く綺麗なピンクのお花を思い浮かべますよね?!
しかし、お花見はとても人気で、特に本州の桜スポットは大変混雑をしています。
人込みで綺麗な桜を鑑賞しにくい・・・。
それにその時期は祝日が少ないので、社会人の方にとっては休日も取りにくいですよね。

こんな時は、北海道でのお花見がおすすめですよ♡

上富良野の深山峠から見える桜と十勝岳の絶景

本州の桜の開花は3月頃ですが、気温が低く雪が多い北海道ではそれより1カ月程度遅れ、4月下旬から5月上旬に桜の見頃を迎えます。
ちょうどゴールデンウイークのタイミングに合わせて、お休みも取りやすいですよね!
また本州に比べて、北海道ではあまり知られていない綺麗な桜絶景スポットが多くありますので、人だかりの心配もありません。

そして、北海道に咲く桜は本州とまた違う種類なんですよ!

本州で咲く種類のほとんどは、名高い「ソメイヨシノ」です。
しかし、ここ北海道に咲くのは、「エゾヤマザクラ」という品種です!名前から分かると思いますが、野生の山桜の仲間です。
ソメイヨシノは人がつくった栽培品種で、北海道のワイルドなエゾヤマザクラを見ると、昔の桜はこんな感じだったのかな?とイメージできます。

もちろん、お花で有名なここ美瑛町にも、綺麗なエゾヤマザクラを観賞できるスポットが多いんですよ♪
皆さんも、美瑛町でお花見しませんか?

1憩ヶ森公園

美瑛の桜まつり会場、憩ヶ森公園!

アクセスが便利な憩ヶ森公園は美瑛駅から車、自転車、徒歩でも行けますので、近くて気軽に桜を楽しめるおすすめの美瑛桜スポットですよ~!

わぁー!まるで桜の楽園にいるよう♡

こちらにはエゾヤマザクラの木が何十本も植えられていて、毎年5月上旬~中旬に美しく咲き乱れます!
舞い散るピンクと白い花びらに囲まれて、魔法の森を歩いているように感じますね~♪

公園の真ん中の展望台をのぼると、さらに絶景が待ってますよ!
上から桜、美瑛町、十勝岳連峰を眺めることができます。とても見事な光景です!

桜に囲まれている憩ヶ森公園の展望台

桜祭り期間中には、夜は桜のライトアップを観賞できます!


展望台から見える夜桜と美瑛町の夜景!

皆さんも美瑛の夜桜を、ぜひ楽しんでくださいね!

2聖台ダム

美瑛近郊にある聖台ダムは、美瑛町にあるダムの1つです。
ダムの周りには、エゾヤマザクラの木々が立ち並んでいて、枝は壮大に水面の方に向かって垂れています。

ここ聖台ダムこそが、美瑛で一番の花見スポットと感じている美瑛町民も多くいるようですよ!
河の上にちらちらと舞う桜の花びらや、十勝岳連峰の背景で、感動の絶景です!

恋ピンクの桜と青々としている新緑のコントラストで、写真家にとても人気があるスポットですよ!

桜と水音…まるで短歌のワンシーンのようですね。

3美瑛川

美瑛川は十勝岳連峰にある源から美瑛の街中まで流れます。
天然の青さで、美瑛町民には「ブルーリバー」という愛称で親しまれています!

JR富良野線の下に流れている美瑛川、ブルーリバー

川沿いには遊歩道が白金エリアまで続いています。
そして遊歩道で丸山公園に近づくと、並んでいるエゾヤマザクラの木々たちと出会います!

桜の木は山まで進んでいるように見えます!

遊歩道にはベンチや休憩ができるスポットもたくさんありますよ!
美瑛駅周辺のお店からテイクアウトにして、花見ピクニックはいかがでしょうか?

いやー…癒されますね、この色…

4深山峠さくら園(上富良野町)

「あれ?ここは上富良野?」

その通りですよ!
なぜ上富良野町の花見スポットの紹介??

少し前にお伝えしましたが、2022年1月28日、美瑛町と上富良野町にまたがる十勝岳が、
日本ジオパークとして正式認定を受けました!

今日は特別に美瑛町と同じ歴史的背景を持つ、上富良野町の美しい花見スポットを紹介いたします!♪

桜と十勝岳連峰…おとぎ話のようです…!

深山峠さくら園は、上富良野を一望できる丘にあります。
エゾヤマザクラと十勝岳連峰を一緒にカメラに収めたい方は、是非ここへ!!

しかも、公園が東向なので、朝日が綺麗に見えます!
少し早起きすれば、朝日と桜を同時に見ることが出来る絶景スポットです!

朝日に染まった旭岳とエゾヤマザクラ…見事です♡

夏になる頃には、美瑛町内の観光花畑も一面花でいっぱいになりますが、
まずは長い冬にお別れをして、春を歓迎するエゾヤマザクラを観賞しましょう!

夏のパッチワーク模様の訪れを告げる 美瑛のエゾヤマザクラ

「コー! コー!」 空のかなたから、大きな鳴き声が響き渡る

 

まだ冷え込みが強い、美瑛の春の朝・・・・寒い!!

まだ雪が残り、朝晩は氷点下まで気温が下がる日も珍しくありません。

ぬくぬくの布団の中で、「あと5分だけ!」と丸くなりたいですね・・・

 

「コー! コー! コー!」

 

突然聞こえてきた天然の目覚まし時計の音に、思わず目が覚めます。

これはいったい何の音?

窓から外を見上げると、壮観な光景が目に飛び込んできました!

 

 

「わー! ハクチョウだ!!」

美瑛に待望の春がやってきた瞬間です。

 

春の来訪客 ~ ハクチョウ

 

日本で見られるハクチョウは、渡り鳥です。

シベリアで繁殖しますが、冬は極寒の地を脱出して日本列島の海岸エリアへ移動してきます。

そして2月、ハクチョウはまた繁殖のため、シベリアの涼しい夏を目指して北へと向かいます。

その途中、3月から4月にかけて、ちょっと北海道に立ち寄っていきます。

ここ美瑛では、ハクチョウの大きな鳴き声が、待ちに待った春の訪れを告げるんですね!

 

噴煙を上げる十勝岳をバックに、数百羽のハクチョウが集まります

 

ハクチョウは、美瑛の住民にもとても親しまれています。

春の到来を告げるということだけでなく、人が近づいてもすぐに逃げず、その姿を間近で見ることができる貴重な動物だからでもあります。

夏は葉っぱが生い茂り、動物はその姿を隠しやすくなるので、こんなによく野生動物の姿を観察できるのは、とても珍しいチャンスなのです!

 

さて、美瑛に来たハクチョウは、いったい何をするのでしょうか?

ちょっとだけハクチョウの後を追いかけて、その様子を覗いてみましょう・・・

 

ハクチョウのごちそうとは??

 

朝の7時。

安全な場所で夜を過ごしてから、ハクチョウは美瑛の市街地の上を飛んでいきます。

「コー! コー!」という鳴き声や、「パタパタ!」という羽音を立てながら、平らな田んぼのエリアに着陸します。

田んぼの雪が融けて、雪どけ水の泥んこの中で、ハクチョウが楽しそうにバシャバシャやっています。

ハクチョウたちは、泥水の中をつついて何を探しているのかな?

ヒントは、人間も大好きな食べ物です・・・・

 

ハクチョウの白い姿が、田んぼの水面にも映ってキレイですね

 

ハクチョウの主食は水草ですが、春の美瑛はまだまだ寒いので、水中に潜るのは大変ですよね・・・・

そこで、この時期は畑のおこぼれをちょうだいするんですね!

数百羽のハクチョウが美瑛の田んぼや畑に集まり、落ちているお米や穀物を探しています。

ハクチョウは、日本人と同じようにお米好きだったんですね!!

 

しかも、お米だけではありませんよ!

カットされた茎の跡が残るトウモロコシ畑にも、ハクチョウたちは集まってきます。

ちなみに美瑛には、人間用のほかに、牛のエサ用に育てられている広大なトウモロコシ畑もあります。

人も、牛も、ハクチョウも、コーンはみんな大好きですね!

 

「そう! 僕らもコーン大好き! イエーイ!!」

 

ハクチョウのねぐら

 

お米やコーンでお腹をいっぱいにしたハクチョウは、日が暮れる前にねぐらへと戻ります。

何羽かの集団をつくって、「コー! コー!」と呼び合いながら飛んでいきます。

美瑛では、観光牧場のファームズ千代田の近くにある水沢ダムに、水鳥たちが集まってきます。

水沢ダムは、晴れた日には十勝岳連峰のパノラマが見渡せる絶景の場所です!

 

水沢ダムに湖面に映る、十勝岳連峰の姿も美しい

 

夕方4時ごろ、ハクチョウたちが次々とダム湖の上に舞い戻ってきます。

ハクチョウがやってきたことは、その姿が見えなくても鳴き声でわかります。

写真を撮ろうと待ち構えているカメラマンたちには、とってもわかりやすくて便利です。

鳴き声を聞けば、ハクチョウがどこから飛んでくるかわかるので、素人でもカメラを向けるのが簡単です!

湖面に着水する寸前には、キレイな編隊を組んだまま十勝岳連峰の山並みの前を通ってくれるので、山とハクチョウのベストショットを撮ることができますよ!!

 

十勝岳の噴煙の前を飛ぶ、ハクチョウの編隊飛行

 

大きな集団だと、リーダーを先頭にV字を組んで、大空から徐々に高度を下げていきます。

水面に近づいてくると、水かきのついた足を大きく広げて空気抵抗を増やし、ブレーキをかけます。

そうやってスピードを落とし、降りたい目標地点に向かってコントロールしやすくします。

着水の瞬間に水かきを水面に押し付けると、水が噴水のようにザザザー!と上がります。

なんて素晴らしい光景なんでしょう!

 

ザザザーーー!!

 

ハクチョウは、同じ相手と一生を共にしますので、ダムの水面を並んで泳ぐペアや、子供連れのファミリーの姿を見ることができます。

ファミリーが並んで泳ぐ姿は、なんだか家族旅行みたいですね!

 

成鳥2羽(白)と幼鳥2羽(灰色)。たぶん親子かな?

 

春に飛来するハクチョウは、まぶしい太陽とともにやってきます。
これからはじまる暖かい日々の訪れを告げに・・・・

早春の美瑛。輝く緑と、土色の大地。
そして、トラクターがゴトゴトと丘を越えて…

 

美瑛の冬はとっても長い…

12月から4月まで、丘は深い雪に覆われます。

この時期、美瑛の農家さんはゆっくりと1年の疲れを癒します。春になるまで英気を養っているので、カフェや居酒屋で出会える機会も多いですよ!

そして大地は、雪の下で暖かい春の陽射しを待っています…

3月も半ばになり、日中の気温がプラスになってくると、この謎の黒いクルクル模様が美瑛の丘に出現します!

 

 

これは一体何でしょう?! 野生動物が作った足跡? まさか…UFOが残したミステリーサークル?!

 

 

実はこの模様、農家さんがスノーモービルで描いたものなんです!!

模様の正体は、散布された融雪剤です。融雪剤は、ビートの絞りかすの炭から作って、雪が融け始める時期に畑に散布します。

農家さんは、融雪剤をスノーモービルにセットして、ムラができないよう等間隔にビューン!!と円を描いていきます。これが、何とも言えない素敵な幾何学模様になるんですね!

実際、融雪剤を散布して雪解けが早まるのはわずか1週間ほどだそうですが、美瑛の農家さんにとってはその1週間でもとっても貴重な時間なんですね。

もっと知りたいと思った方はぜひ、美瑛の写真家・菊地晴夫氏の動画をご覧ください。

そして、4月半ばにようやく雪が融け、畑が姿を現します。さあ、ここから本格作業の開始です!

 

最初の丘の色は…人工的?!

雪さえ融けてしまえば、すぐにカラフルなパッチワークの丘が現れて…とお思いの方も多いかもしれません。

でも実は…

 

「へぇ…なんか、想像と違う…」

 

そうなんです。春の美瑛は、皆様が想像するパッチワークの丘のイメージとは違って、あまりカラフルではありません。

なぜなら、畑にパッチワーク模様を描く農作物が、まだ植えられていないからです! 農作物がないと、丘には色がありません。

また、新緑の葉も5月にならないと出てこないし、他の草花も何か月もの間太陽を光を受けず雪の下にいたので、茶色になってしまいました。

ご覧の通り、4月の美瑛は地味な土の色ばかりなんです…

でも、そんな丘でも、時折色を見かけることがあるんです!

 

「あ! まさか…!」

 

そうです! トラクターがしばらくぶりに丘の上に現れました!

トラクターの最初の仕事は、畑の土を起こすことです。

雪の下に埋まっていた土は、固く締まっています。そんな土を掘り起こすことによって、乾いた上の層の土と湿った下の層の土が混ぜ合わされ、土に含まれる栄養分が地表面に上がってきます。

そうして、種蒔きや苗植えの準備をするんですね!

赤や青、緑や黄色のカラフルなトラクターたちは、色のない早春の丘に彩りを与えてくれます。

 

忙しく動くトラクターと十勝岳連峰の山々(4月)

 

そして5月になると、日差しがどんどん暖かくなり、土壌も十分に栄養を蓄え、いよいよ種を蒔き、苗を植え始める時期になります!

 

近代農業の奇跡のトラクター

美瑛の農作物は、なんとなくテキトーに植えられているわけではありません。

作物は成長するとどんどん背が高く、大きくなりますので、適切な距離を保って植えなければなりません。

また、ジャガイモのような作物は、収穫する際に便利なように、三角山のような「うね」を作ります。

 

今から120年以上前の開拓時代には、この作業を人の手や馬で行っていました。

美瑛の畑は何ヘクタールもの広大な面積ですので、人力や馬力でやっていた苦労は計り知れません!

 

こんな大きい畑を人の手で作業するなんて、想像できますか?

 

そんな苦労をしていた農家さんたちを、トラクターが助けにきました!

20世紀半ばにトラクターが登場したことにより、広大な面積での作業もスピードアップし、人力で行っていた重労働からも解放されました。

現在さらに進化を遂げたトラクターは、動きがコンピュータで制御され、植える幅や間隔なども、細かい精度で自動的に行えるようになりました!

技術の進歩は、農家さんの強い味方ですね~

 

こんな傾斜のある丘でも、トラクターならすいすい作業が進みます

 

春の丘は、1年のうちで最も忙しくトラクターが動き回る時期です。

秋の収穫を豊作にするためには、この時期に行う下準備の作業が最も重要になるからです。

ですので、この時期は1つの畑に複数台のトラクターが出ている、なんてことも珍しくありません!

美瑛の住民にとって、丘の上をあちこちでトラクターが走り回る姿は、春の訪れを実感する光景なのです。

トラクター2台と十勝岳の背景

なんて芸術的の畝!モダンアートみたいですね!

この畑の畝が永遠に続きそうです…

 

おまけ:苗クイズ!

作物には、種を直接畑に蒔くものと、ビニールハウスで苗まで育てられてから植えるものがあります。

5月~6月頭ぐらいにかけて芽が大きくなり始めますが、私たちが知っている見た目とはちょっと違うんです!

写真の新芽たちはいったい何の作物なのか、想像できますか???

 

「おい、おい! 僕を抜いちゃダメだよ!
雑草のように見えるかもしれないけど、僕は雑草じゃないよ!
ほら、根っこは筒状の紙に包まれてるでしょ?
僕は正真正銘の苗なんだよ!
さあ、僕は誰でしょう?」
「僕の正体は、ビートでした!
いつか、このちっちゃい根っこも大きな甘いビートになって、
青々とした大きな葉っぱも出るんだぞ!」
「わたし、左右対称のちっちゃな葉っぱで、可愛いでしょ?
わたしは、種から生まれたのよ。
皆さんも昔、小学校で同じように育てたことあるんじゃないかなぁ?
わたしは誰でしょう?」

「答えは、豆でした!
正確に言うと、大豆よ。
この写真は、若い枝豆の頃だけど、しっかり乾燥させてから収穫するので、10月頃までわたしと会えるわ~」

 

いかがでしたか? すべて正解でしたか?

5月下旬に美瑛を訪れると、土から出てきた可愛い苗をたくさん見られますよ!

そんな畑の苗を見ながら、何の作物になるのか当てるゲームをしてみませんか?

 

春の訪れを告げるトラクター。働く農家さんのシンボルです。